この記事の結論
- データエンジニアが技術ブログを持つメリットは 知識整理・技術力の言語化・(人によっては)転職時のアピール材料。ただし効果は人と運用次第で、確約はできません
- 「とにかく書いて読まれたい・技術者に届けたい」だけなら Qiita / Zenn / はてなで十分。独自ドメインで運用・収益化も視野に入れたいなら WordPress、という整理が現実的です
- WordPress は自由度が高い反面、サーバー代(月1,000円前後)・初期設定・更新管理という運用コストと挫折リスクを負います。なお、このブログ自身の収益は現状ほぼ0円で、「稼げる」と請け合うことはできません
※本記事にはサーバーサービスのPRリンク(1本)を含みます。著者が実際に使っているサービスについてのみ紹介し、それ以外は中立に整理しています。
「技術ブログ、いつか始めたいと思ってるんだけど……」
データエンジニアの方なら、一度はそう思ったことがあるんじゃないでしょうか。でも「何を書けばいいかわからない」「時間がない」「そもそもブログって今さら?」みたいな理由で、なかなか始められない。私もそうでした。
先に正直なところを書いておきます。「データエンジニアは絶対ブログをやるべき」とは言いません。続かずに放置するくらいなら、最初からやらないほうがマシなケースもあります。私自身、このブログ(data-career-lab)を運用していますが、収益は現状ほぼ0円です。なので「ブログで月数万」のような話は、ここではしません。
それでも、知識整理や技術の言語化という点で得たものはあります。この記事では、実際にやってみてわかった「効いたこと・効かなかったこと」と、収益化まで視野に入れる場合の WordPress + エックスサーバーでの開設手順をまとめます。サービスの向き不向きも両論で整理します。
データエンジニアが技術ブログを始めるべき3つの理由
① 転職時のアピール材料になる(ことがある)
これは人とタイミングによりますが、効くときは効きます。データエンジニアの転職では「何ができるか」を伝えるのが意外と難しいんですよね。職務経歴書に「データ基盤の設計・構築」と書いても、面接官にはその深さが伝わりにくい。私自身、書類段階では「バッチ処理」を「ETLパイプライン」と言い換えるなど、表現を工夫してようやく通過率が上がった経験があります。
ブログがあると、ここに具体物を足せます。「Snowflakeのコスト最適化について書いた記事があります」と添えれば、口頭よりは技術力の根拠になりやすい。たとえば私の場合、面接で「前月比を出すSQL」を問われる場面がありましたが、こういう実務寄りの話題は、普段アウトプットしていると答えやすくなります。
ただし過度な期待は禁物です。読まれる保証はないし、採用は最終的に実務経験と面接での受け答えで決まります。ブログは「あれば多少プラス」くらいの位置づけで、なくても転職はできます。逆に、内容が薄かったり古い情報だと、見られてマイナスになる可能性もゼロではありません。
職務経歴書の言い換えテクニックは別記事で解説しています:SIer出身者向け:データエンジニア転職の職務経歴書の書き方
② 自分の知識が整理される
データエンジニアの仕事って、幅が広いですよね。SQL、Python、Snowflake、dbt、Airflow、データモデリング……。日々の業務で学んだことを「なんとなく」で終わらせている人が多いと思います。
ブログに書くと、曖昧だった理解が一気にクリアになります。「あれ、この挙動ってなんでだっけ?」と調べ直すことで、表面的な知識が実力に変わる。アウトプットが最高のインプットになるって、本当にその通りでした。
③ 副収入の可能性はある(が、過度な期待は禁物)
ここは一番、盛られがちなポイントなので正直に書きます。技術ブログがアフィリエイトや広告と相性がいいのは事実です。理屈の上では、転職サービスやクラウド製品のレビュー、技術書紹介などで、本業の知見が収益につながる余地はあります。
ただ、私自身の実績で言うと、このブログ(data-career-lab)の収益は現状ほぼ0円です。記事は何本も書いていますが、検索流入もまだ伸びておらず、「書けば稼げる」という体感はまったくありません。よく言われる「半年〜1年で月数万」も、私の実データでは裏づけられていないので、断言はできません。
一般論としても、収益化はアクセスが集まってから先の話で、そのアクセスを集めるまでが長く険しいです。途中で挫折する人も多い領域です。なので副収入は「ついてきたらラッキー」くらいに考えて、まずは知識整理や言語化のメリットを目的にしたほうが、続けやすいと思います。
ブログサービスの選び方:目的で分かれる(WordPressが万能ではない)
技術ブログを始めるなら、QiitaやZenn、はてなブログなど選択肢はいくつかあります。それぞれの特徴を比較するとこうなります。
| サービス | 強み | 弱み | アフィリエイト |
|---|---|---|---|
| WordPress | 完全カスタマイズ可、収益化自由 | サーバー代が必要(月1,000円〜) | ◎ 制限なし |
| Qiita | 技術コミュニティの集客力 | 装飾・誘導の自由度が低い | × NG |
| Zenn | デザインが綺麗、技術者層に強い | 収益化はBookとSponsorのみ | △ 一部のみ |
| はてなブログ | 始めやすい、はてブで拡散 | 無料版は広告制約多い | ○ Pro版なら可 |
| note | エモい記事に強い、課金記事可 | 技術記事との相性は微妙 | × 原則NG |
どれを選ぶかは、目的で決めるのが現実的です。
- 「技術者にとにかく読まれたい・反応がほしい」 → Qiita / Zenn。集客力とコミュニティがあり、書くことに集中できます。技術ブログなら、まずここで十分というケースは多いです。
- 「気軽に始めて続けたい」 → はてなブログ。始めやすく、はてブ経由の拡散も狙えます。
- 「独自ドメインで自分の城を持ちたい・将来的に収益化も視野に入れたい」 → WordPress。自由度は最も高いです。
WordPress は万能ではありません。引き換えに、サーバー代(月1,000円前後)が継続でかかり、初期設定・テーマ選定・更新やバックアップの管理を自分で負うことになります。集客もゼロから自前で、Qiita / Zenn のような最初からある読者導線はありません。「収益化したいから」だけの理由でいきなり WordPress に行くと、運用負担で挫折しがちです。まず Qiita / Zenn で書く習慣がついてから WordPress に移す、あるいは両方を並行する人も多いです。
WordPress 自体のセットアップは、昔より簡単になっています。サーバー契約時に WordPress まで自動インストールしてくれる機能があり、私の場合は手を動かす部分は短時間で終わりました。とはいえ「30分で全部完了」と煽るつもりはなく、ドメイン浸透の待ち時間や初期設定の試行錯誤を含めれば、半日〜数日かけて少しずつ整えるのが実態に近いです。
WordPressブログの開設手順(エックスサーバーの例)
ここからは、実際に WordPress を立てる場合の手順です。私はこのブログ(data-career-lab)をエックスサーバー+WordPress+Cocoon で運用しているので、自分が使っているこの構成を例に説明します(サーバーは他社でも手順の大枠は同じです)。選んだ理由は、国内で情報が多くて困ったときにググりやすいこと、WordPressの自動インストールがあること、安定性に大きな不満がなかったことです。
ステップ1:レンタルサーバーに申し込む
ここで使うのが、私が実際に契約しているエックスサーバーです(以下のリンクはPRを含みます)。
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公式サイトにアクセスして、「お申し込みはこちら」をクリックします。なお、料金や運用負担を考えると全員に勧められるものではありません。前述のとおり、まず Qiita / Zenn で十分なら無理にサーバーを契約する必要はありません。
プランはスタンダードで十分です。個人ブログなら上位プランは必要ありません。契約期間は12ヶ月がコスパがいいです(月額1,100円くらい)。
ステップ2:ドメインを決める
申し込みの途中でドメイン(ブログのURL)を決めます。ここで大事なのは、テーマを限定しすぎない名前にすることです。
たとえば「snowflake-tips.com」だとSnowflakeの話しか書けなくなります。「data-career-lab.com」のように、少し広めのテーマで取っておくと後が楽です。
ちなみにエックスサーバーは契約時にドメインが1つ無料でもらえるキャンペーンをよくやっています。タイミングが合えばドメイン代がゼロになるので、公式サイトをチェックしてみてください。
ステップ3:WordPress情報を入力する
「WordPressクイックスタート」を利用すると、申し込みと同時にWordPressがインストールされます。入力する内容はこれだけです。
- ブログ名(後から変更可能)
- ユーザー名
- パスワード
- メールアドレス
支払い情報を入れて申し込みが完了すると、数分〜1時間ほどでブログにアクセスできるようになります。
ステップ4:初期設定をする
WordPressにログインしたら、最低限やっておくべき設定があります。
パーマリンク設定:「設定」→「パーマリンク」→「投稿名」を選択。これでURLが https://yourdomain.com/記事名/ の形式になって、SEOに有利です。
テーマの設定:無料テーマなら「Cocoon」が無難です。本ブログもCocoonを使っています。技術ブログ目線でありがたいのは、コードのシンタックスハイライト、目次の自動生成、ボックスや吹き出しといった解説向けのパーツが最初から揃っている点です。SQLやコマンド例を載せる記事を書くなら、このあたりが標準で使えるのは助かります。装飾やボタンの機能も一通りありますが、技術記事では中身(再現できる手順・動くコード)のほうがずっと効くので、まずは内容に集中して問題ありません。
SSL設定:エックスサーバーなら無料SSLが自動で設定されます。「https://」でアクセスできることを確認してください。
ステップ5:最初の記事を書く
ここが一番のハードルに感じるかもしれませんが、最初の記事は完璧じゃなくて大丈夫です。
データエンジニア向けのおすすめネタは以下のようなものです。
- 業務で詰まったエラーの解決方法(Snowflake / dbt / Airflow など)
- ツールの導入手順(実際に動く設定例つき)
- SIerから事業会社に転職した体験談 → 例:SIerを辞めて事業会社のデータエンジニアに転職した話
- 技術選定の比較記事(Snowflake vs Redshift など)
- 学習ロードマップ → 例:データエンジニアになるためのスキル・ロードマップ
大事なのは「完璧な記事を1本」ではなく「そこそこの記事を5本」。記事数が増えるほどアクセスが集まりやすくなりますし、書いているうちにどんどん上手くなります。
エックスサーバーを選んだ理由(他社との比較)
レンタルサーバーは他にもConoHa WINGやロリポップなどがありますが、私がエックスサーバーを選んだ理由をまとめておきます。
| 比較軸 | エックスサーバー | ConoHa WING | ロリポップ |
|---|---|---|---|
| 月額(12ヶ月契約) | 約1,100円 | 約1,200円 | 約550円〜 |
| 国内シェア | No.1 | 急伸中 | 老舗 |
| WordPress簡単インストール | ◎ | ◎ | ○ |
| 安定性 | ◎ 20年以上の実績 | ◎ | ○ |
| 情報量(ググりやすさ) | ◎ | ○ | ○ |
安定性:運用実績20年以上で、サーバーが落ちたことがほぼない。ブログが表示されないとせっかくのアクセスを逃すので、ここは妥協したくなかったです。
情報の多さ:国内シェアNo.1なので、困ったときにググればだいたい解決策が出てくる。マイナーなサーバーだとここで詰まることがあります。
コスパ:スタンダードプラン12ヶ月で月額1,100円程度。個人ブログには十分なスペックです。ただし、これはあくまで「私が選んだ理由」であって、最安を優先するならロリポップ、表示速度の評判で選ぶなら ConoHa WING など、軸が違えば結論も変わります。各社の最新の料金・キャンペーンは公式で確認してください。
> 補足:このセクションは私の選定理由の共有であり、特定サーバーを「これ一択」と勧めるものではありません。申し込みリンクは上のステップ1に1か所だけ置いています。
よくある質問(FAQ)
Q. データエンジニアでもエンジニアブログで稼げますか? A. 「稼げます」とは言えません。理屈の上では、データエンジニアは関連サービスの単価が高めなニッチ職種なので、相性のいいジャンルではあります。ただ、私自身(data-career-lab)の収益は現状ほぼ0円で、「1年で月数万」のような相場感を自分の実績で保証することはできません。収益化は、十分なアクセスが集まって初めて見えてくる先の話だと考えてください。期待値は低めに置くのが安全です。
Q. Qiita・Zennで書いていればWordPressは不要では? A. 「学習記録」が目的ならQiita / Zennで十分です。ただし、収益化・自分の城作り・転職活動でのアピール強化を狙うならWordPressが必要です。両方並行で運用している人も多いです(同じネタを別の見せ方で展開)。
Q. 業務で得た知識をブログに書いて大丈夫ですか? A. 公開情報のみに限定すれば問題ありません。社内システム名・顧客名・具体的なデータ値などは書かず、「Snowflakeのウェアハウスサイズ最適化の一般論」のように抽象化すれば安全です。会社のNDA / 就業規則は事前に確認してください。
Q. WordPressのテーマは有料・無料どちらがいいですか? A. 最初は無料の「Cocoon」で十分です。有料テーマ(SWELL、AFFINGER等)は機能やデザインが豊富ですが、Cocoonでもコードハイライト・目次・解説パーツなど技術ブログに必要なものは揃っています。本ブログ(data-career-lab.com)もCocoonです。デザインや運用に物足りなさを感じてから、有料テーマへの切り替えを検討すれば十分間に合います(最初に課金して挫折するともったいないので)。
Q. ブログを書く時間が取れません。どうすれば? A. 「業務で詰まったこと」をリアルタイムでメモするのがおすすめです。Slack の Times チャンネルや Notion に書き溜めておけば、週末に1〜2時間でブログ記事に整形できます。ゼロから記事を書こうとすると挫折しますが、メモを整形するだけなら継続できます。
Q. データエンジニア向けのブログテーマは何が読まれますか? A. データ転職体験談、ツールの導入手順(dbt / Airflow / Snowflake)、SQLの実用Tips、データモデリングの設計例が読まれやすいです。具体的な記事例としてdbt入門:SIer出身者が最速で理解するためのガイドを参考にしてみてください。
まとめ:始めるなら「知識整理」を目的に
データエンジニアのブログは、うまくいけば知識整理・技術の言語化・転職時のアピールにつながる活動です。一方で、収益は確約できず(私の実績はほぼ0円です)、運用には手間がかかり、続かなければ意味がない——という現実もあります。
それでも私自身は、書くことで曖昧だった理解がクリアになる感覚があり、その一点だけでもやってよかったと思っています。逆に言えば、収益や転職効果を主目的にすると、成果が出るまでの距離に心が折れやすいです。
なので、もし始めるなら「自分の理解を整理するため」を一番の目的に置くのがおすすめです。媒体は前述のとおり目的で選んでください。技術者に読まれたいだけなら Qiita / Zenn、独自ドメインで運用したいなら WordPress、という整理で十分です。まずは完璧でなくていいので、1記事、手元のメモから書いてみることをおすすめします。
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