【2026年版】データエンジニアの仕事内容と1日のスケジュール|現役が業務をリアルに公開

転職体験談

この記事の結論

  • データエンジニアの仕事は 「社内のデータを使える状態にすること」
  • 業務は5領域:データ収集/変換/基盤構築/品質管理/権限管理
  • 1日の業務は 開発40% / MTG20% / 運用15% / ガバナンス10% / 学習15%(平均的な週の目安。時期により変動)

「データエンジニアって、具体的に何をしてるの?」

SIerで働いていた頃、データエンジニアの仕事内容がまったくイメージできませんでした。「データ基盤を作る」と言われても、毎日何をしているのかが見えなかった。

事業会社のデータエンジニアとして働き始めて2年。この記事では、データエンジニアの仕事内容を5領域に整理した上で、私の実際の1日のスケジュールを タイムテーブル付き で公開します。

データエンジニアの仕事内容とは

データエンジニアの仕事を一言でいうと、社内のデータを「使える状態」にすることです。散らばったデータを集めて、整理して、分析チームやビジネス部門が使えるようにする。これがデータエンジニアの本質的な役割です。

具体的には、以下の5つの業務が中心になります。

業務領域 具体的な内容 使用ツール例
データ収集・連携 社内外のデータソースからデータを自動取得 Fivetran, HVR, API連携
データ変換・加工 分析しやすい形にデータを変換 dbt, SQL, Python
データ基盤の設計・構築 DWH・データレイクの設計と運用 Snowflake, BigQuery
データ品質管理 データの正確性・鮮度・整合性を担保 dbt tests, Great Expectations
権限管理・ガバナンス 誰がどのデータにアクセスできるか管理 Snowflake RBAC, データカタログ

他のエンジニア職種との違い

「エンジニア」と名のつく仕事はたくさんありますが、データエンジニアはかなり毛色が違います。

職種 主な仕事 主なアウトプット
データエンジニア データ基盤の構築・運用 データパイプライン、DWH
システムエンジニア(SE) 業務システムの設計・開発 設計書、業務アプリ
インフラエンジニア サーバー・ネットワーク構築 インフラ環境
データサイエンティスト データ分析・機械学習 分析レポート、MLモデル
データアナリスト データ集計・可視化 ダッシュボード、レポート

SEやインフラエンジニアは「システムを動かす」のが仕事ですが、データエンジニアは「データを流す」のが仕事です。データサイエンティストが分析する「素材」を用意するのがデータエンジニア。料理で例えるなら、データエンジニアは食材の仕入れと下ごしらえ担当です。

なお、ここでの区分はあくまで典型例で、組織によっては境界が曖昧です。小さなチームではデータエンジニアがアナリストやサイエンティストの領域まで兼任することも珍しくありません。職種名より「実際に何をやるか」を求人票で確認したほうが確実です。

1日の業務割合

私の場合、1日の業務割合はだいたいこんな感じです。

業務 割合 補足
開発(SQL/Python/dbt) 40% メインの時間
ミーティング・相談対応 20% アナリスト・マーケターとの連携
パイプライン監視・障害対応 15% 朝一の稼働確認含む
ガバナンス・権限管理 10% 地味だけど重要
技術調査・学習 15% 新ツール検証など

SIer時代はドキュメント作成が業務の50%近くを占めていましたが、事業会社では開発に充てられる時間が増えました。ただしこれは「楽になった」という話とは少し違います。設計書を書かない代わりに、設計の妥当性も障害時の責任も自分側に寄ってきます。承認フローというクッションがない分、判断を間違えればそのまま手戻りになる。割合の数字も、新規開発が立て込む時期は開発が60%近くになり、運用当番に当たった週は監視・障害対応が逆に膨らみます。あくまで平均的な週の目安として見てください。

1日のタイムライン(実例)

9:00 – 出社・パイプラインの稼働確認

朝一番の仕事は、前夜に走ったETLパイプラインの稼働確認です。

Fivetranの同期ステータス、HVRのレプリケーション状況をダッシュボードでチェックします。エラーが出ていたら原因を調査して対応。ほとんどの日は問題なく完了していますが、ソースシステム側の変更(カラム追加やデータ型変更)でエラーになることが月に数回あります。

SIerでいう「朝一のジョブ確認」と本質は同じです。ただし、SIerでは障害連絡票を書いて上長に報告して承認をもらって…という手順が必要でしたが、事業会社では「直して、Slackで報告して、完了」です。

9:30 – チームの朝会(15分)

データチームの朝会に参加します。各メンバーが「昨日やったこと」「今日やること」「困っていること」を共有するスクラム形式です。

SIerの進捗会議とは雰囲気が全然違います。資料準備は不要で、口頭で1〜2分話すだけ。形式的な報告ではなく、チーム間の連携を取るための場です。

10:00 – データモデリング・開発作業

ここが1日のメインの時間です。

新しいデータソースの取り込み設計をしたり、既存のデータモデルを改修したり、SQLやPythonでの開発作業を行います。

たとえば「マーケティング部門が新しい広告プラットフォームのデータを分析したい」という依頼が来たら、そのデータソースのAPI仕様を調べて、Fivetranでの取り込み設定を行い、Snowflake上でのテーブル設計をして、変換ロジックを書きます。

SIerとの大きな違いは、設計から実装までを一人で一貫してやれること。設計書を書いてレビューに出して承認を待って…という工程がなく、「設計して、作って、テストして、デプロイ」を自分のペースで進められます。

12:00 – 昼休み

リモートワークの日は自宅で昼食。出社日は社食。SIerの客先常駐時代と比べると、昼休みの自由度が全然違います。

13:00 – ステークホルダーとの打ち合わせ

午後はアナリストやマーケターとの打ち合わせが入ることが多いです。

「この分析をしたいんだけど、データはある?」「この指標の定義を変えたい」「新しいダッシュボードを作りたい」といった相談を受けて、データエンジニアとしてどう対応するかを議論します。

SIerでの「要件定義」に近いですが、社内の人が相手なので顧客折衝のような契約上の緊張感は薄れます。

とはいえ「楽」とは言い切れません。社内だからこそ、「明日の役員会議までにこの数字を出してほしい」といった納期度外視の依頼が直接飛んでくることもあります。指標の定義を部門ごとに勝手に決められてしまい、「同じ売上なのに数字が合わない」という調整に時間を取られる日もある。契約という線引きがない分、こちらが優先順位や定義を主体的に整理しないと、頼まれごとに振り回されます。協力関係である反面、線引きは自分で引く必要がある、というのが正直なところです。

14:00 – 権限管理・ガバナンス業務

Snowflakeの権限管理やデータガバナンスの業務を行います。

新しいユーザーのアクセス権設定、ロールの見直し、データアクセスポリシーの更新など。地味ですが、470テーブル・18スキーマの環境では重要な仕事です。

SIerでの「セキュリティ設計」「権限管理」の経験がそのまま活きる領域です。

15:00 – コードレビュー・ドキュメント整備

チームメンバーのプルリクエストをレビューしたり、技術ドキュメントを更新したりします。

dbtのモデル変更やSnowflakeの設定変更はGitHub経由でのプルリクエストで管理しているので、レビューは重要なプロセスです。

SIerでの設計書レビューと似ていますが、コードベースなので曖昧さが少なく、レビューの効率が高いです。

16:00 – 技術調査・学習

新しいツールの検証や技術調査の時間を取れるのも、事業会社の魅力です。

「Databricksへの移行を検討しよう」「新しいデータ品質ツールを試してみよう」といった技術選定に関われます。SIerでは「お客様が使っている技術」に縛られますが、事業会社では自分たちで技術スタックを選べます

17:30 – 翌日の準備・退勤

明日のタスクを整理して退勤。残業は月10〜20時間程度です。客先常駐がなくなりリモート中心になったぶん、働き方そのものはSIer時代よりかなり楽になりました。ただし障害やリリースが重なった週は退勤が遅くなる日もあり、「常に定時で帰れる」という意味ではありません。

日常的に使うツール・技術スタック

データエンジニアが毎日触るツールをカテゴリ別にまとめます。

カテゴリ ツール 用途
DWH Snowflake データの保管・分析基盤
データ連携 Fivetran, HVR 外部データソースの自動取り込み
データ変換 dbt SQLベースのデータモデリング
オーケストレーション Airflow パイプラインの実行管理
バージョン管理 GitHub コードレビュー、CI/CD
コミュニケーション Slack チーム連携、障害通知
BI Looker, Tableau ダッシュボード(アナリストが主に利用)

SIer出身者にとって朗報なのは、SQLの知識がそのまま活きること。Snowflakeの操作もdbtのモデル定義も、ベースはSQLです。RDBの設計経験がある人は、データモデリングにもスムーズに入れます。

詳細な学習順序は データエンジニアのロードマップ で解説しています。

SIerとの1日の違い(4つの観点)

意思決定のスピード。 SIerでは設計変更に承認フローが必要でしたが、事業会社ではチーム内で合意すればすぐ実行できます。

ドキュメントの量。 SIerでは作業量の半分がドキュメント作成でしたが、事業会社ではコードがドキュメントを兼ねます。dbt docsやREADMEで十分で、Excel方眼紙の設計書はありません。

技術の幅。 SIerでは1つのプロジェクトで1つの技術スタックに閉じていましたが、事業会社ではSnowflake、Fivetran、HVR、Python、SQLと複数のツールを横断的に扱います。

ユーザーとの距離。 SIerでは「作って納品して終わり」でしたが、事業会社では自分が作ったものを毎日使ってもらえます。「このテーブル便利」と言われた瞬間のやりがいは、SIerでは味わえなかったものです。

こんな人にデータエンジニアは向いている

向いている人 向いていない人
SQLが好き/苦にならない コーディングを避けたい
設計・モデリングが好き 数字やデータに興味がない
技術選定に関わりたい 既存スタックを変えたくない
ユーザーの近くで働きたい 1人で黙々と作業したい
新ツールのキャッチアップが楽しめる 学習継続が苦手

逆に、大規模プロジェクトの管理や顧客折衝がしたい人は、SIerの方が向いているかもしれません。

キャリアパスと年収レンジ

データエンジニアからのキャリアの伸ばし方は主に4パターンあります。下の年収レンジは特定企業の数字ではなく、求人媒体やエージェント面談で見聞きする一般的な相場感です。地域・業界・企業規模で大きく振れるため、目安として見てください。

キャリアパス 年収レンジ(一般的な相場) 特徴
テックリード/シニアDE 800万〜1,200万円 技術深掘り、アーキテクチャ設計
データプラットフォームマネージャー 1,000万〜1,500万円 チームマネジメント+戦略策定
アナリティクスエンジニア 700万〜1,000万円 dbt中心、ビジネス側との橋渡し
フリーランス(業務委託) 月単価70万〜120万円(媒体掲載の相場) 専門性で勝負、案件選択の自由

私自身の実額でいうと、SIer5年目で約400万、事業会社のデータエンジニアに転職した直後で500万、社会人18年目の現在(データアーキテクト)で860万です。上の表のような相場へ一直線に届いたわけではなく、転職と社内での役割変化を重ねた結果です。

なお、フリーランス(業務委託)の月単価は数字だけ見ると魅力的ですが、ここは私自身が未経験の領域なので断定は避けます(正社員のまま検討中です)。一般論として、業務委託は社会保険・税金・福利厚生が自己負担になり、月単価がそのまま手取りになるわけではありません。案件が途切れるリスクや、単価の高い案件が都市部・特定業界に偏りやすい点も、額面の裏側として知っておく必要があります。

詳細は データエンジニアの年収相場 を参照してください。

よくある質問(FAQ)

Q. データエンジニアとシステムエンジニア(SE)はどう違う? A. SEは業務システム(販売管理、人事系など)を作る仕事、データエンジニアはデータを集めて使える状態にする仕事。アウトプットも、SEは業務アプリ、データエンジニアはデータパイプライン/DWHと根本的に異なります。

Q. データエンジニアの1日って忙しい? A. SIerほどは忙しくないです。残業は月10〜20時間程度。ただし障害発生時は集中対応が必要。「定常運用 + プロジェクト開発」のバランスで、メリハリのある働き方になります。

Q. リモートワークはできる? A. 基本的に可能です。Snowflake/dbt/GitHubなどクラウドベースのツールが多いため、出社必須の業務はほぼありません。私も週3〜4日はリモート勤務です。

Q. 残業はどのくらい? A. 私の場合は 月10〜20時間 です。労務管理がしっかりした事業会社では過度な残業は起きにくい一方、これは会社次第です。事業会社でも障害対応やリリース集中期は残業が増えますし、運用当番の週は時間外の呼び出しが発生することもあります。「事業会社だから残業ゼロ」ではない点は補足しておきます。

Q. データエンジニアに向いていない人は? A. SQLや設計が苦手な人、新しいツールのキャッチアップが楽しめない人、データに興味が持てない人。逆に「データを綺麗に整理するのが快感」というタイプは天職です。

Q. 30代未経験でもデータエンジニアになれる? A. なれます。特にSIerでDB/SQL経験がある30代は強い候補。詳しくは SIerを辞めたい30代エンジニアが知っておくべき3つの現実 で解説。

まとめ

データエンジニアの仕事は、社内のデータを「使える状態」にすること。具体的にはデータ収集・変換・基盤構築・品質管理・権限管理の5領域を担当します。

ポイントを再掲します。

  • 業務時間の40%前後は開発:SIerと比べると開発に充てる時間が増える(時期により変動)
  • コードがドキュメント:Excel方眼紙の設計書は減るが、その分、設計と障害の責任は自分側に寄る
  • ユーザーが近い:自分が作ったデータを毎日使ってもらえる一方、納期度外視の依頼や指標定義の調整も近距離で飛んでくる
  • 残業は月10〜20時間:ただし障害・リリース集中期や運用当番の週は増える

SIer出身者にとって、SQLとRDBの経験はそのまま武器になります。ここまで読んで「思っていたより地味だ」と感じたなら、それも含めて正直な実態です。良い面だけの仕事ではありませんが、SIerで感じていた不満の何が解消され、何が形を変えて残るのかを、自分の状況に当てはめて考える材料になればと思います。

この記事は1日の業務内容を共有することが目的なので、特定の転職サービスへの誘導は置いていません。実際の転職活動の進め方や年収の動きについては、下の関連記事で実体験ベースに書いています。


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