【2026年】SIerを辞めて事業会社のデータエンジニアに転職した話|年収400万→500万、現在860万の実体験

転職体験談

※本記事の後半に、筆者が実際に利用したサービスのPRリンクを1件含みます。

この記事の結論

  • SIer 5年目(年収 約400万円)から事業会社のデータエンジニアに転職。転職直後は 500万円(初回オファー450万円を交渉して500万円)。社会人18年目の現在は 860万円
  • ただし年収だけが正解ではありません。事業会社にも社内政治・部署異動・縦割りの不便さはあり、合わなかった人もいるはず。本文で「下がった/後悔」側の話も併記します
  • 事業会社で個人的に大きかったのは「年収」より 仕事の意味が見えるようになったこと。マーケや経営企画から「このダッシュボードで意思決定が早くなった」と直接言われる体験
  • Snowflake / dbt 未経験でも合格。中途採用で求められたのは 「特定ツール経験」より「データ基盤を設計・運用した経験」(ただし最初に遠回りもしました)

「自分が作ったシステム、誰が使ってるんだろう」

SIerで3年、5年と働いていると、ふとそんな疑問が浮かぶ瞬間がありませんか。設計書を書いて、コードを書いて、テストして、納品する。技術的にはちゃんとした仕事をしているはずなのに、なぜか手応えがない。納品した後、そのシステムがどう使われて、どんな成果を生んでいるのか、まったく見えない。

正直に言うと、私もそうでした。この記事では、SIer 5年目から事業会社のデータエンジニアに転職した実体験と、そこで気づいたSIerと事業会社の決定的な違いをまとめます。

「このままSIerにいて大丈夫なのか」という漠然とした不安

SIerの仕事が嫌いだったわけではありません。ただ、30歳を過ぎたあたりから「このままでいいのかな」がずっと頭にありました。

周りを見ると、上のポジションに行くほどExcelとパワポの仕事が増えていくんですよね。技術で勝負したくてこの業界に入ったのに、気づけば調整役。しかも案件は数ヶ月〜1年で終わるから、「自分が作ったもの」と胸を張れるプロダクトがない。

転職サイトを眺めてみると「データエンジニア」という職種が目に入りました。Snowflake、Databricks、dbt、Airflow……聞いたことはあるけど触ったことがないツールばかり。正直、自分にできるのか不安でした。

でも、もっと不安だったのは「5年後もこのまま同じ場所にいること」でした。

事業会社に転職して気づいた「SIerとの決定的な違い」

結論から言うと、私は食品メーカー系の事業会社のデータエンジニアポジションに転職しました。年収はSIer5年目の約400万円から、転職直後で500万円になりました。ただし、最初のオファーは450万円で、そこから交渉して500万円に着地した数字です。交渉しなければ初回提示のまま、年収はほぼ横ばいだったかもしれません。差額の50万円は黙っていたら手に入らなかった、というのが正直なところです。

そして、年収以上に大きかったのは「仕事の意味が見えるようになったこと」でした。

事業会社では、自分が構築したデータ基盤を、マーケティング部門や経営企画が毎日使っています。「このダッシュボードのおかげで意思決定が早くなった」と直接言ってもらえる。SIer時代には一度も経験しなかったことでした。

もちろん、いいことばかりではありません。SIerと事業会社の違いを正直にまとめると、こんな感じです。

比較軸 SIer 事業会社
技術の幅 案件ごとに異なる技術を広く薄く 自社スタックを深く極める
やりがい 納品で完結、その後が見えない ユーザーの反応がダイレクト
年収レンジ 400〜650万(30代) 500〜900万(同スキル帯)
働き方 客先常駐・案件次第 リモート可が多い
キャリア マネジメント寄りになりがち 技術スペシャリスト路線が残る
リスク 案件切れ・待機の不安 社内政治・部署異動リスク

年収だけで見ても、同じスキルセットなら事業会社の方が高い傾向はあります。私自身、SIer残留を選んだ同期との差はいま300〜400万円ほどです(互いに会社員18年目時点の感覚値)。ただ、これは「データエンジニアという需要の高い職種を選んだから」という条件付きの話で、誰もが同じだけ伸びるわけではありません。事業会社でも、地方拠点・特定業界・社内SE寄りのポジションだと給与が伸びにくいケースはありますし、上の表のとおり社内政治や部署異動のリスクも別腹で付いてきます。「事業会社=必ず得」ではなく、「自分の経験が評価される職種・企業を選べば差が出やすい」くらいの温度感が実態に近いと感じています。

具体的な年収レンジは別記事で経験年数別にまとめています:【2026年】データエンジニアの年収は400〜1000万円|SIer→+100万の実体験

「未経験のツールばかりで不安」は、実はそこまで問題じゃなかった

転職前に一番心配だったのが、Snowflakeやdbtといったモダンなデータスタックの経験がないことでした。

でも実際に転職してみると、SIerで鍛えた「要件を整理して設計に落とす力」と「SQLの基礎力」があれば、ツールのキャッチアップは思ったより早かったです。Snowflakeの文法はほぼ標準SQLですし、dbtはSQLが書ければすぐに使えます。

むしろ、事業会社が中途で求めているのは「特定ツールの経験」より「データ基盤を設計・運用した経験」でした。SIerでRDBの設計やETL処理を組んだことがあるなら、それは十分な実績になります。

ここを理解していなかった私は、最初の転職活動で「Snowflake経験必須」の求人を反射的に避けてしまい、かなり遠回りしました。そもそも最初に「とりあえず大手なら安心だろう」と総合型エージェントに登録したところ、担当者がSnowflakeという単語自体を知らず、噛み合わないやり取りで3ヶ月ほど無駄にしました。早めに「この領域に詳しい担当に当たれていたか」で、私の場合は転職活動の効率がだいぶ変わったと思います。

ちなみに面接では、机上の知識だけでなく「前月比を出すSQLを書いてみてください」といった実務的な問いも出ました。SIerでSQLとデータベース運用をやってきた経験は、こういう場面でそのまま効きます。

学習が必要なら、別記事のデータエンジニアになるためのスキル・ロードマップで、未経験から6ヶ月で転職レベルに到達するためのスキル学習順を解説しています。

転職エージェントを使って感じた「当たり外れ」

正直に書くと、転職活動では3つのエージェントを使いました。

最初に登録した大手総合型エージェントは、紹介される求人がSIerからSIerへの横スライドばかりでした。「データエンジニアとして事業会社に行きたい」と言っても、担当者がデータエンジニアという職種をよく理解していなかったんですよね。

次に使ったIT特化型のエージェントでは、担当者自身がエンジニア出身で、話が早かったです。「SIerでの経験をどう事業会社向けにアピールするか」を一緒に考えてくれました。職務経歴書も、たとえば「バッチ処理の運用」を「ETLパイプラインの設計・運用」と言い換えるなど、事業会社の採用担当に伝わる言葉へ翻訳することで、書類通過率が目に見えて改善しました。

ただ、IT特化型なら無条件で良いというわけでもありません。担当者個人のスキルや相性に大きく依存するので、「特化型だから当たり」ではなく「複数登録して担当を見比べる」のが現実的だと思います。私は最終的に3社を併用しました。

ここで学んだのは、「どのエージェントを使うか」で転職先の選択肢が根本的に変わるということです。特にデータエンジニアのようなニッチな職種では、その領域に詳しいエージェントを選ぶことが最短ルートになります。

→ エージェントの選び方について詳しくは、【2026年】データエンジニア向け転職エージェント比較|3社使ってわかった選び方にまとめています。


「自分のSIer経験は、外の市場でどう評価されるのか」——転職するかどうかは別として、この一次情報だけは早めに取っておくと、今の会社での働き方の判断材料になります。私の場合はIT特化型エージェントとのやり取りで相場観をつかみましたが、求人を眺めるよりスカウト型サービスでオファーの動きを見る方が、より直接的な手応えが得られる人もいると思います。

私が転職活動のときに実際に使ったサービスのひとつが、IT・Web系に特化した レバテックダイレクト(PR) です。経歴を登録しておくと、興味を持った企業から直接オファーが届く仕組みで、自分の経歴が企業からどう評価されるかという提示額を一次情報で見られたのが、交渉の材料になりました(PR:自分に合うかは担当の相性もあるので、複数サービスを見比べ、1社に依存せず判断してください)。


転職を迷っている人が持ちがちな「3つの不安」に答えます

転職を考え始めると、だいたい同じところで足が止まりますよね。過去の自分もそうでした。

「今の会社でもう少し経験を積んでからの方がいいのでは」——これは半分正解で半分間違いです。経験は確かに大事ですが、SIerでの経験年数と事業会社での市場価値は比例しません。むしろ35歳を超えると「マネジメント経験は?」と聞かれるようになって、技術職としての転職がどんどん難しくなります。30代の現実についてはSIerを辞めたい30代エンジニアが知っておくべき3つの現実で詳しくまとめています。

「年収が下がるかもしれない」——これは「ありえます」と正直に答えます。データエンジニアは需要が供給を上回りやすく、私自身はSIer時代の約400万円から500万円に上げられました。ただしそれは交渉込みの結果で、初回オファーは450万円でした。交渉しなければ横ばいだった計算です。また、未経験からWeb系などへ職種ごと転向する場合は、いったん年収が下がってから伸ばす人も珍しくありません。「データエンジニアという需要の高い職種を、自分の経験が評価される形で狙えるか」で結果は変わります。下がる前提も織り込んで動く方が安全だと思います。

「転職して合わなかったらどうしよう」——この不安は正直消えません。事業会社にも事業会社の面倒(縦割り、部署異動、社内政治)はあって、SIerの方が水に合っていた、という人もいるはずです。だからこそ、事業会社の選考では「カジュアル面談」から入れるところが多いのを使わない手はありません。いきなり本選考ではなく、お互いの相性を確かめる場で、内側の雰囲気をある程度見てから判断できます。

よくある質問(FAQ)

Q. SIer未経験者でもデータエンジニアになれますか? A. なれます。ただし学習期間は12〜18ヶ月程度を見込む必要があります。SIer出身者が6ヶ月で転職可能なのは、SQL・データベース運用・大規模システム経験という土台があるからです。完全未経験の場合の学習順序はデータエンジニアになるためのスキル・ロードマップを参照してください。

Q. 30代後半・40代でもSIerからデータエンジニアに転職できますか? A. できますが、選考のハードルは年代ごとに上がります。30代後半は「データ基盤の設計・リード経験」、40代は「組織のデータ戦略をリードした経験」が問われます。実装スキル単体での勝負は厳しくなるので、SIer時代の上流工程経験を強調するのがコツです。

Q. データエンジニアと社内SE・データアナリストの違いは? A. データエンジニアは「データ基盤の設計・構築・運用」が中心。社内SEは「業務システム全般」、データアナリストは「データ分析・可視化」が中心です。SIer出身者の経験が一番活きるのはデータエンジニア領域です。

Q. Snowflake / dbt 未経験で本当に受かりますか? A. 受かります。私自身、Snowflake未経験で大手事業会社のデータエンジニアに採用されました。ポイントはSQL力と設計経験。詳しくはSnowflake未経験でもデータエンジニアに転職できた理由で解説しています。

Q. 職務経歴書はSIer時代のものをそのまま使っていいですか? A. NGです。SIer用の職務経歴書をそのまま事業会社に送ると書類で落ちる確率が跳ね上がります。「基本設計書作成」→「データモデリング設計」のように事業会社向けに翻訳が必要です。書き換え例とテンプレはSIer出身者向け:データエンジニア転職の職務経歴書の書き方にまとめています。

まとめ:動くなら「データエンジニアの需要があるうち」がベスト

データエンジニアの求人数はここ3年で急増しています。Snowflake、Databricks、dbtを導入する企業が増えて、「データ基盤を作れる人」の需要は当分なくならないでしょう。

ただし、この状況がいつまで続くかはわかりません。AIの進化でツール側が進歩すれば、求められるスキルセットも変わっていきます。だからこそ「今、SIerでの経験が武器になるうちに」動くのが合理的だと思っています。

無理に今すぐ転職する必要はないと思います。ただ、「自分のスキルが市場でいくらの価値があるのか」を一次情報として知っておくと、転職しない場合でも今の会社での交渉や働き方の判断材料になります。私自身、IT特化型エージェントとのやり取りで、SIerでの経験が思ったより評価されることを知り、それだけで気持ちが少し軽くなった記憶があります(一方で、最初の総合型では3ヶ月空回りもしたので、入口選びは慎重に、というのが正直な実感です)。

職務経歴書の書き方がわからなくても、エージェント側で一緒に整える流れが一般的です。とはいえ担当者の当たり外れはあるので、1社で決めつけず複数を見比べるのが無難だと思います。


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